MD codesとは?~アラガン社の提唱するヒアルロン酸注入の標準化コード~

ヒアルロン酸注入は簡便で即時効果が得られることから元々大変需要の多い施術でしたが、治療目的の適応拡大によって近年さらに需要が増しています。ヒアルロン酸は皮膚充填材の1つです。この皮膚充填材という言葉が示すように、ヒアルロン酸は皮膚に注入して「しわを盛り上げる」目的で使用され始めました。それが皮下組織に注入して痩せこけた部分のボリューマイジング(ふくらませる)にも使用され、最近では最新のたるみの理論に基づくリフティング治療にも使用されています。

まさに様々な目的で使用されているヒアルロン酸注入ですが、何か統一された施注方法というのはこれまでなく、各医師が独自に編み出した方法により行われていました。注入する部位や量、深さ、使用するヒアルロン酸の種類など、医師が違えば全然違っていたわけです。特にどこに注入するかは医師による差も大きく、医師間で会話するにも「どこどこに注入する」の「どこどこ」がどこを指しているのかを共有できているとは必ずしも言えない状況でした。

ヒアルロン酸注入の手技を標準化するために、まずはその「どこどこ」というのをどの医師が聞いても同じになるようにはっきりさせましょうというのがブラジルの美容形成外科医Dr. Mauricio de Maioが開発したMD codes(以下MDコード)です。de Maio先生はMDコードを利用したVST-shapeの開発者としても知られています。

MDコードとは簡単に言ってしまえば顔の番地表記みたいなものです。具体的には、MDコードは「部位を表すアルファベット記号+数字」で構成されています。部位を表すアルファベット記号には、Ck、C、T、E、NL、Mがあり、それぞれ頬部、下顎部、側頭部、眉毛尾部、ほうれい線、マリオネットラインを表します。これらの部位コードの後ろに数字が付け足されてより細かな部位を指定します。頬部(Ck)には1~5、下顎部(C)には1~6、側頭部(T)には1~2、眉毛尾部(E)には1、ほうれい線(NL)には1~3、マリオネットライン(M)には1~3までの番地が付与されます。各番地がどこに対応するかは以下の通りです。
頬部(Ck)のMDコード
下顎部(C)のMDコード
側頭部(T)及び眉毛尾部(E)のMDコード
ほうれい線(NL)及びマリオネットライン(M)のMDコード

図中に、赤く示されたコードがあります。これはこの部分の皮下には動脈が走っているので注入する際には注意が必要な場所で、デンジャラスゾーンと言えます。この部位に施注する場合には、皮内の注入にとどめ皮下に注入しない、必ず穿刺後に吸引して逆血がないことを確認する、マイクロカニューレなどの鈍針を使用するなどの措置が必要となります。

実はMDコードというのはあくまで番地付けにすぎないので、それほど画期的なことではありません。ですが、ヒアルロン酸注入の際の医師間の意思疎通に役立つ共通言語を得たわけであり、ジュヴィダームビスタシリーズヒアルロン酸の発売元であるアラガンジャパンは、今後このMDコードを使ったヒアルロン酸注入によるお顔の若返り治療を全面的に推し進めたい意向です。ですから、今後は広く使われていくことになるでしょうし、それにより医師と患者様とのコミュニケーションも円滑となるものと思われます。