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ボツリヌストキシンとは?

ボツリヌストキシンはボツリヌス菌が作る神経毒で、ボツリヌス中毒を引き起こす毒素です。

ボツリヌス菌

土壌など自然界に広く存在するクロストリジウム属の細菌です。この属の細菌は嫌気性菌で酸素の存在下には増殖できません。代わりに芽胞という非常に高耐久性の状態になり休眠状態になります。酸素のない環境に置かれると増殖し、ボツリヌス中毒を起こす毒素を産生します。

この菌は、ハムを食べて34人が食中毒を引き起こした事件を調査したベルギーの細菌学者、エミール・ヴァン・エルメンゲム(Émile van Ermengem)によって1896年に初めて同定されました。この事件では、ハムを食べた人達に眼瞼下垂、複視、散瞳などの視覚障害、嚥下困難、息切れ、発話困難、尿閉、便秘といった症状が見られました。これらの症状はソーセージを食べた後に引き起こされるとして知られていた食中毒と同じ症状であったため、この細菌をラテン語でソーセージを意味するbotulusからボツリヌス菌と名付けました。

ボツリヌストキシン

ボツリヌストキシンは抗原性の違いによりA型、B型、C型、D型、E型、F型、G型の7つの型に分類されています。このうち運動神経や自立神経の麻痺をきたすボツリヌス中毒の原因となるのはA、B、E型です。最初にB型が1910年に発見されました。次にA型が発見され、第二次世界大戦中には強力な神経毒をもたらす細菌兵器としてアメリカとイギリスで研究が行われました。このうちイギリスの研究を引き継いだのが現在商品化され発売されているA型ボツリヌストキシン製剤の一つであるディスポートを発売しているイプセン社です。

ボツリヌストキシンが人の治療に初めて使われたのは1978年で、眼科医のアランスコット(AlanScott)が斜視の患者にA型ボツリヌストキシンを投与しました。その後、眼科医らにより眼瞼痙攣、顔面痙攣、頚部ディストニアなどの治療に使用されるようになりました。そのような中、鋭い観察力を持った複数の医師が、これら疾患でボツリヌストキシンの投与を受けた患者に若返り効果が見られることを見出しました。以後、ボツリヌストキシンは急速に美容目的で使用されるようになり、現在では非常に広範な目的で使用されるに至っています。毒素と聞くとちょっと怖いと感じるかもしれませんが、今や美容治療としては最もポピュラーな施術の一つであり、適切に治療を行えば深刻な副作用はまず起こりません。ぜひ怖がらず安心して治療を受けてください。

監修医師

竹内 孝基 医師

エースクリニック理事長

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