クレヴィエルのご紹介

ヒアルロン酸注射の主な治療目的はしわの修正だったり足りないボリュームの補正で、これらの目的でだいたい約8割です。あと2割は鼻を高くしたり顎をシャープにする輪郭形成です。実はヒアルロン酸で鼻を高くしたり顎を出したりする需要は結構多いんですね。

でも、ヒアルロン酸は比較的柔らかい素材であるため、仮に鼻にヒアルロン酸を多く注入しすぎると、高くはなっても同時に太くなってしまいとても見た目に美しいとは言えない鼻になりがちでした(俗に世に言う「アバター鼻」)。なので、私はヒアルロン酸で鼻を高くしたいという人には「ちょっと鼻筋を通すくらいの感じで注射するのはいいけど欲張ってはダメですよ。」と口を酸っぱくして言っていました。短時間に簡単に注射で鼻筋が通ると、みんなもっと鼻を高くしたいという欲望に負けてしまうんですね。ほぼ例外なく「もっと入れてはダメですか?」と言われるので、口を酸っぱくして言っていたのです。

でも、そんなヒアルロン酸隆鼻術ラブな方々に朗報な、新しいヒアルロン酸「クレヴィエル・コントア」を導入しました!(パチパチ)

クレヴィエル・コントア

クレヴィエル・コントア
1年前くらいから市場に出てはいて様子を見ていたのですが、知り合いの医師の評価も良かったため遅ればせながら導入となったわけです。1ヶ月ほど使ってみた感想ですが、「確かに凄くイイ!」。明らかに他のヒアルロン酸よりも硬く、結構な量を入れても横に広がって太くなるようなことがないのです。顎に入れてみても、比較的少量でシャープな顎が仕上がります。顎は組織が硬いので結構な量を注入しても従来のヒアルロン酸だと押しつぶされてしまってなかなかシャープに仕上がらないことも多かったのですが、クレヴィエル・コントアなら簡単にシュッとした顎にすることができます。初めてクレヴィエル・コントアを使ったときの感想を今風に伝えると、「クレヴィエル・コントア、まじ神じゃね?」です。

これまでにもレディエッセというヒアルロン酸ではなくハイドロキシアパタイトという素材の硬いフィラーがありました(というか今もありますが)。個人的意見ですが、クレヴィエル・コントアが登場したことで、レディエッセは完全に息の根を止められることになるでしょう。と言うのは、ヒアルロニダーゼというヒアルロン酸を溶かす薬があり、この薬の存在によりヒアルロン酸はフィラーとして他の素材に比べて「あとからでも溶かせる」という圧倒的に理想的な性質を持っているからです。レディエッセと同等、あるいはそれ以上の硬さがあり、尚且つそれを溶かす薬もあるとなれば、レディエッセをあえて選択する理由は皆無です。しかもここ最近はレディエッセが関係した塞栓事故の報告が相次いだこともイメージを悪くしています。

クレヴィエル・コントアは一般的には鼻・顎造形用ですが、その製剤特性から他の用途としては、皮膚が硬めで盛り上がりにくい方のほうれい線の修正、エラを張らせる(女性的な輪郭から男性的な輪郭へ変える)などの目的にも有用です。

以上、クレヴィエル・コントアをべた褒めしましたが、不満な点もあります。それは「コントア」という日本語表記。英語表記では「CLEVIEL Contour」で、contourとは輪郭とか外形の意味です。このcontourですが、発音は[ kˈɔntʊə] です。これをコントアとは、まさにDisneylandをデズニーランドと呼ぶがごとき暴挙(と、私は思います)。コントゥアにして欲しかった…(アクセントはコに置いてください)。

では、クレヴィエル・コントアの特徴を以下に。

クレヴィエル・コントアの特徴

  1. (1)世界発の鼻・顎造形用ヒアルロン酸注入剤
    アジア人特有の「鼻を高く」「顎を出したい」といったニーズに最適なヒアルロン酸製剤です。そのため韓国製です(KFDA取得なので信頼性は高い)。 クレヴィエル・コントアを鼻に注入した例

  2. (2)高濃度・高密度のヒアルロン酸製剤
    ヒアルロン酸濃度は50mg/mlと他製剤と比べ圧倒的に高濃度です。 クレヴィエル・コントアと他のヒアルロン酸濃度の比較

  3. (3)純度の高いヒアルロン酸製剤(化学物質が少ない)
    分子を高密度化して物理的架橋を与えているので、架橋剤は最小限→副作用の軽減。 高濃度・高密度のヒアルロン酸と最小限の架橋

  4. (4)注入後、最も吸水しにくい(腫れにくい)
    吸水しにくいので、注入後にだんだん太くなってくることがありません。 ヒアルロン酸製剤の吸水試験

  5. (5)効果の持続が長い
    もちは12~15ヶ月程度。高濃度・高密度のため分解吸収が他ヒアルロン酸製剤より緩徐です。 ヒアルロン酸製剤の効果の持続期間

さて、クレヴィエル・コントアの特長について理解は深まりましたでしょうか?今までにない高濃度・高密度のヒアルロン酸製剤で話題のクレヴィエルシリーズですが、世間的ににクレヴィエルと言えばクレヴィエル・コントアのことを指すようです。でも、クレヴィエルシリーズには他にクレヴィエル・プライム(CLEVIEL Prime)というものもあるんですね。これがコントアとはまた違った用途に使用でき、かつなかなか良いものなので、コントアと同時に当院のヒアルロン酸リストに追加しました。

クレヴィエル・プライム

クレヴィエル・プライム

というわけで、クレヴィエル・プライムのご紹介もついでにしたいと思います。

クレヴィエル・プライムはクレヴィエルシリーズの真骨頂である高濃度・高密度を売りにした注入用ヒアルロン酸製剤です。

クレヴィエル・コントアと比較すると、ヒアルロン酸濃度はプライムが33mg/mlなのに対してコントア50mg/ml、パーティクルサイズ(粒子の大きさ)はプライムが125μmなのに対してコントアが250μmです。プライムはコントアに比べるとヒアルロン酸濃度は66%ですが、これでも他の一般的なヒアルロン酸が20~25mg/ml程度なので、それらよりも濃度はかなり濃いです。

コントアが隆鼻や顎形成などシャープに筋を出す目的で使うのに対して、プライムはふっくらというかぷっくりしたボリュームを出したいときに向いています。具体的には、涙袋形成や額・こめかみの凹みの修正に適しています。そのほか法令線やマリオネットラインの修正、中顔面のボリュームアップにも使用することができます。つまりコントアだとシャープになりすぎるので向かないような部位で、ふっくら・ぷっくりボリュームアップさせたい箇所に使用できます。

涙袋をヒアルロン酸で形成するとき、従来のヒアルロン酸だと横に広がりやすくぼやけた涙袋になることがあるのすが、このクレヴィエル・プライムだと横に流れず尚且つぷっくりとした涙袋が作れます。また、こめかみや額の凹みを修正するときには注射できる一番深い層=骨膜上に注入しますが、かなり深い位置のため弾力性に富んだヒアルロン酸でなければたくさん入れても押しつぶされてあまりふくらみません。その点クレヴィエル・プライムなら比較的少ない量のヒアルロン酸でふっくらと盛り上げることが可能です。これは大きなメリットで、ヒアルロン酸をたくさん注入するより同じ盛り上げ効果を少量のヒアルロン酸で可能になるならその方が良いに決まっています。

クレヴィエル・プライムを使ってみての感想はとにかくバランスの良いヒアルロン酸製剤だということ。高濃度・高密度を売りにはしていますが、決していわゆる「硬い」という表現は当たりません。粘性と弾性のバランスが非常に良いので仕上がりが自然なんですね。なのにきちんとふっくらぷっくり感は出してくれている使い勝手の良いヒアルロン酸です。 クレヴィエル・プライムの優れたバランス

他にもクレヴィエルシリーズの特長である、むくみが少ない、少ない架橋剤、効果の持続期間が長いといった特徴は兼ね備えており、今後も使用する機会が増えそうです。 高濃度・高密度のヒアルロン酸と最小限の架橋